コラムニストの竹内政明さんが、
若き日に北海道大学を受験した思い出を講演で紹介した。
試験の後日、合否電報が届く。
「ポプラナミキユキフカシ サイキヲイノル」
つまり不合格。
浪人して翌年、再挑戦で合格した際の電報は
「クラークホホエム」だった。
合格者への電文8文字に対し、
不合格者には倍以上の18文字。
この出来事を通し、竹内さんは感じたという。
悩みに沈む人には、日が当たる人以上に言葉が必要だ
7年ほど前、東日本大震災による津波で自宅を失った男性に、
台湾の慈善団体から支援の品が送られた。
その中に一人の少女が書いたメッセージカードが。
「心身」「健康」「福」……
漢字から、復興を祈ってくれているのだと察した。
彼は、その言葉を心の支えにした。
昨年、被災地に慰問演奏で来たある楽団が、
カードのまつわるその話を聞き、
”来夏の台湾公演に同行しないか”と彼を誘った。
今年8月、台湾を訪れた彼を待っていたのはカードを書いた少女。
日本の関係者や台湾のテレビ局の協力もあって実現した”サプライズ”だった。
初対面にもかかわらず、この出会いを彼は「再会」と言った。
少女の言葉にどれほど励まされてきたのかが分かる。
言葉には心が宿る。
国境や世代を超えて、共鳴していく。
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