俳優 山崎努さんの『俳優のノート』から学ぶ -自分を理解するために、他者を理解する-

Leica M4 / Summar 5cm F2 (Tri-X400)
コラム

舞台「リア王」に臨む日々を、

主演の山崎努さんが克明に記録した『俳優のノート』(文春文庫)

演技にかける情熱や役作りの苦闘などが垣間見えて興味深い。

 

例えば台本の読み込みについて。

作品全体を理解すること。

そのためには、自分の役を中心に読まないこと。

 

他者の役を理解しなければ自分の役も理解出来ない。

 

自分のせりふを覚えるだけでも大変な作業に違いない。

だが、その”自分中心”の位置をいったん抜け出し、

共演者の役柄をつかむ。

そうして全体を俯瞰する中で、

自分の役を捉え直し、

表現を深めていくという。

 

自分を理解するために、他者を理解する

 

現実の生活にも通じる示唆がある。

自分の考えだけに固執していると、

おのずと世界が狭くなり、

時に自分の進むべき方向を見失う場合がある。

 

対話の場においても、こちらの想いを伝えることは大切だが、

まず相手の話をじっくりと聞きたい。

その中で自身の視野は広がり、

考えも深まっていく。

人間は人間の中で磨かれるのである。