カルピスをつくった男 三島海雲

関東大震災の時も被災者がこれを飲み、のどの渇きを癒したという。

乳酸菌飲料「カルピス」は明年、誕生100年を迎えるロングセラー商品だ。

生みの親である三島海雲は「日本一主義」という仕事術を提唱した。

物事の決断に当たっては分野を問わず、常に「第一人者」「一流の人」の意見を仰いだ。

「カルピス」という名を付ける時は作曲家の山田耕筰に相談。

「響きがいい。音声学的に見てもいいですよ」と太鼓判をもらった。

歌人の与謝野鉄幹・晶子夫妻には試飲をしてもらい、感想を聞いた。

自分の考えを貫く一方、しかるべき人の意見に耳を傾け、学ぶ。

その姿勢に皆も協力を惜しまなかったという。

(山川徹『カルピスをつくった男 三島雲海』小学館)